Vol.29 さとうゆか&大内りえ子監督特集

人間社会は言ってみればルールや道徳で構成された仮想現実で、真の現実とは一致しないのだけど、
ネットの普及はその乖離にますます拍車をかけている。
その狭間を意識してしまった表現者は、どう反応していくのだろう。

可愛らしいスタンプやステンシル、わら半紙、といった素材を使いながら、それらとは離れたリアルな感触を与える、
さとうゆか監督。
一見萌えキャラに見える女の子たちの意味をすっかり解体して、その先にあるリアルな感触を与える、
大内えり子監督。

先立つのは、この世界への期待か、不安か、観察者の視点か、楽しんでしまえという遊び人の精神か。
いずれにしても「ここに存在してやる」という高らかな宣言と思える。

日  時

2018年1月19日(金)

(1)18:00~/(2)19:30~

 

◉上映後イベント

Skypeトーク(予定)
●各回上映終了後 さとうゆか監督・大内りえ子監督

 

料  金

一   般: 900円+1ドリンクオーダー要
高校生以下: 500円

※定員は各回15名までとなっております。

会  場

ブックカフェギャラリーQuiet Holiday


〈JR・山陽姫路駅より姫路城方面(北)に向かって徒歩約10分〉

 

※フライヤーはこちら↓

 

 

さとうゆか監督作品

『R.I.P.』
【4’27″/2015】

自殺する人のところへあらわれる女の子のお話。

『夜を飛ぶ』
【3’00″/2015】

夜目を閉じると見えるものがある。
これは残像なのか、 実際に見えているのか、記憶なのか、ゆめなのかわからない。 

『PANIMATION』
【0’40″/2015】

パンケーキでパンケーキを作ろう!
「朝7時」というテーマで制作したアニメーション。
1枚1枚焼いたものをコマ撮り。

『リピートリビング』
【4’44”/2016

音と映像の関係は個人的に作り出されるものである。
もし見ているものと音があっていると思ったら、それは自分の思い込みかもしれない。

『was lived』
【4’15”/2017

眠ることは死と似ている。
記憶も夢も生も死もすべてが曖昧にないまぜになっていく。

大内りえ子監督作品

『返事をする; 繰り返す 繰り返した;
消す; 特に好き 特に好きじゃなくなった。』

【5’33″/2014】

“氾濫”に巻き込まれる、僕の私の生活に焦点を当てたアニメーション作品。

『カーテン カーテン カーテン』
【5’43”2014】

何もない日常の中に、隠された何かがあるのかもしれない。
窓の奥、カーテンの向こう側。

『偽物のあなたのための』
【5’05”2017】

ツインテという髪型は私にとってとても魅力的である。
この髪型はなぜここまで世の中に浸透し、支持を得ているのだろうか?
ツインテの持つ呪いのようなものを通して、自分を偽って生きていく濁った感覚を表した。

『DOODLES No.1-11』
【4’13”2015】

書き溜まったノートの落書きをアニメーションさせた、習作的作品。
落書きを入り口として、日々の行動から発生するノイズに焦点を当てた。 

『私を管理して、
もしくはしないで。』

【3’00”2015】

普遍的に存在する風景を題材としたアニメーション作品。
生活上の「コントロールする/される感覚」を出発点に、自分の作品をコントロールしたいという意識はどこから来るのか模索した。

『私には未来がある』
【15’16”2016】

「ぼく」の生活を描いた日常系アニメ。

『16』
【0’35″/2014】

他人の夢をアニメーションとして視覚化した作品。
デジタルツールと色鉛筆を用い、技法の融合を目標に制作。

 

監督プロフィール

 

さとうゆか監督

1992年札幌生まれ。
北海道教育大学大学院所属。
紙と凹版凸版を用いてアニメーションを制作している。
上映団体EZOFILM代表。

Twitter: https://twitter.com/satoyuka_01
HP: http://satoyuka01.tumblr.com

 

大内りえ子監督

日本・北海道出身。北海道在住。
アニメーションを中心に映像制作を続ける。
主な制作のテーマは個人性や日常が持つ暴力性と歪み、その崩壊について。
“ネガティブなこと”が持つ物語性と熱量を咀嚼し、再構築した作品を制作している。
その他、らくがきを元にしたアニメなども作る。

HP: https://www.riekouchi.com/