演技経験のない4人の女性たちがロカルノ国際映画祭で最優秀女優賞を受賞し話題となった本作は、市民参加による「即興演技ワークショップ in Kobe」から誕生した。
ほとんどの登場人物を演技未経験者がつとめ、総尺5時間17分の大作となった『ハッピーアワー』。
これまでにない試みで映画をつくりあげたのは、映画学校の生徒たちを起用した4時間を超える大作『親密さ』や、トータル7時間を超える東北記録映画三部作(『なみのおと』『なみのこえ』『うたうひと』)など、常に挑発的な作品づくりを続けてきた濱口竜介。
また蜷川幸雄作品の劇音楽を数々手がけてきた阿部海太郎の音楽も映画を彩る。
30代後半の女性たちを主人公に、4人それぞれの家庭や仕事、人間関係を丁寧に描きながら、濱口竜介は、どこにでもいる“普通”の女性たちが抱える不安や悩みを、緊張感あふれるドラマとして見事に表現してみせた。
今の私は本当になりたかった自分なのか?
本当に伝えたいことを言葉にできているのか?
ゆっくりと、迷いながら発せられる彼女たちの一言一言が、観ている者にスリリングな感動を届けてくれる。ロカルノでも大きな反響を呼んだ、いまもっとも注目すべき話題作。
【『ハッピーアワー』主な受賞歴】
第68回ロカルノ国際映画祭最優秀女優賞/脚本スペシャル・メンション
第37回ナント三大陸映画祭銀の気球賞/観客賞
第26回シンガポール国際映画祭最優秀監督賞
第89回キネマ旬報ベスト・テン日本映画ベスト・テン3位
第25回日本映画プロフェッショナル大賞ベスト・テン5位
第25回日本映画批評家大賞選考委員特別賞
第19回グァナファト国際映画祭長編劇映画部門インターナショナル・コンペティション・最優秀作品賞
第6回バルセロナ・オトゥール国際映画祭観客賞
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